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弁護士の探し方 [仕事雑感]

弁護士でいると,当たり前だが,弁護士を必要とすることが少なく,弁護士を探すのに困ることはない。

例えば知り合いから相談されたとき,自分が対応するのは避けた方がいいという場合,この案件だとこの弁護士,というのがあるので,適切な知り合いを頭に浮かべて,その人に頼む,ということになる。

では,特に弁護士に知り合いがいない人が,ごく一般的な困りごとで弁護士を探す,という場合,どうやって弁護士を探すのか,ということを考えてみる。

一番手頃なところで,「離婚を考えている」という場合を想定する。



1 まずは,ネットで情報収集

弁護士に相談に行くとしても,右も左もわからないと,話を聞いてもさっぱりわからない。
一般的な知識や考え方は,ネットでググるといくらでも出てくる。そこで,基本的な知識を入手しておく。

その際,見るのは,弁護士が書いているサイトを薦める。他士業(行政書士など)よりも,正確なことが多い。

また,書いていることが全て自分の場合も当てはまる,ということは絶対に思わないで欲しい。
あくまでも,一つの例,なのである。
法律的な結論は,色んな事情が組み合わさって導かれる。単純に,AといえばB,というものではないことを頭にたたき込んで欲しい。
100人いれば,100通りの解決方法があるのだ。


2 市役所か弁護士会がやっている法律相談に行く

これは,30分無料,というのがあるので,練習?のためにも,弁護士に慣れるというためにも,利用するとよい。

しかし,30分無料,だと,一般的な内容を話すので精一杯なので,個別の案件についてのアドバイスまでは,正直言って難しい。

全く知らない他人の人生である。たった30分で聴き取れるような人生は,ほとんどない。
99.9で,松本潤が,「では生い立ちからお願いします。」というのは,離婚でも同じことが言える。

一つか二つか,無料相談に行くと,弁護士という得体の知れない生物の雰囲気がわかる。


3 個別の弁護士に相談する

有料であっても,1時間以上話を聞いてくれる弁護士の事務所を訪問して,しっかり自分の案件についてのアドバイスをもらう。
離婚だと,きちんときいてアドバイスするには,感覚的に,2時間くらいは必要だと思っている。


ここで,どの弁護士に相談するか,だが,いわゆるポータルサイトに登録している弁護士は,ほぼ全員,営業のために載せている,ということでよい。
決して,「厳選された,その分野のエキスパート弁護士」ではない。仕事につなげるために,掲載料を払って,広告している,というだけだ。
よって,実力はピンキリと思っておけばよい。


じゃあ伝統的な大手事務所(新興の大事務所,ではない。)がいいか,というとそうとも限らない。

離婚の相談など,結局は,1人の弁護士にしっかり話を聞いてもらって,自分のことを把握してもらう必要があるのだから,伝統的な大手事務所である必要はない。彼らは,企業法務に長けているのであって,離婚なんてやったことがない,という弁護士も大勢いる。

そして,普通の依頼者の飛び込みの相談など,大手事務所は受け付けない。


では,どうしたらいいか。

離婚であれば,ネットで検索して,そこに上位に上がってくる弁護士を見比べる,というのがよいように思う。

グーグルで検索すると,広告,と書かれたサイトがあるので,そこはとりあえず飛ばす。
これは,ポータルサイトと同様,お金で表示しているからだ。もちろん,上位表示も対策次第なのだが,私が見る限り,検索で上位に上がっている弁護士は,ある程度数をこなし,そこそこ離婚に詳しい弁護士であるように思う。
(但し,新興大事務所は,除く)

上位2ページくらいに掲載されている事務所(10くらいだろうか)を見比べて,自分に合いそうな事務所を3つくらいピックアップして,法律相談の予約の電話を掛けるとよい。
予約は,メールでも電話でもよいが,電話の方が,事務所の雰囲気などもわかって良いかも知れない。

何人の弁護士と相談するかは,予算との兼ね合いもあるが,まあ3つくらいで足りるのではないだろうか。概ね同じ話が出ていると,それはどの弁護士でも同じ結論とみてよい。

また,行くのであれば,もし可能なら,期を60期前半,50期,40期,あたりに分けて行くのが良いかも知れない。
男性弁護士女性弁護士によっても異なるかも知れない。これは,できれば,ということであって,気に入った弁護士が一つの期に固まっていてもそれは仕方ないかと思う。

大事務所(伝統的な「大手事務所」,ではなく,新興の事務所で,広告宣伝を大々的にやっている事務所)は,サイトも見やすく,たくさんの弁護士がいて頼もしそうだが,ほとんどが,弁護士になって数年という人が多い。

弁護士経験5年目以内の弁護士に当たる確率が高く,離婚事件の経験も多くないので,できれば避けた方がいいと考えている。

その上で,相談時に,自分の不利な点をはっきり指摘してくれる弁護士がよい。

耳障りのよい言葉ばかりで,やたらと受任しようとする弁護士は,最後の最後に「言ってたことが違うじゃない!」となることがある。

あなたに寄り添う弁護士,は,寄り添う「だけ」でいざという時役に立たない,ということでは困るのだ。

弁護士という専門家に依頼する理由は,寄り添っているだけではなく,問題を解決してほしいから。
寄り添いつつも,解決にきちんと導いてくれる弁護士でなければ,話を聞いてくれる友達,で十分だ
受任したいから,依頼者に迎合するような弁護士は,やめておく方がよい。

また,結果を断定的に言う弁護士は,どちらかというと宜しくない。
離婚の場合,相手方の出方でこちらの対応も変わることが多いので,最初の段階で断定的に言うことは難しいからだ。

もちろん,結論が明らかで断定的に言えてしまうこともあるが,それは3人くらいに聞いていると,何となく見えてくると思う。

若手をお薦めしていないが,これは離婚案件だから,ということもある。

ある程度,調停での駆け引きや,知識の有無という点では,あまり若すぎる人には難しいと思うからだ。経験的なところも大きいと言う意味で,そこそこのキャリアがある弁護士の方が向いていると思う。

離婚を処理するには,弁護士として頭が切れるだけではだめで,バランス感覚,相手方との関係で,適切なところで結論を導ける能力,それを依頼者にきちんと説明,説得できる手腕が大切だと思う。
また,個々の弁護士の人生観・結婚観・男女観にも左右されるように思う。

以上は,当然のことながら,あくまでも私見にすぎないことをお断りしておく。

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